40人が本棚に入れています
本棚に追加
明子さんは、鬼天使の微笑みを意味深に深めた。
「いいえ、教授にはもう一つ、是非とも聞きたいことがあるんです」
一度言葉を切り、真田を見据えてから悪戯っぽく口を開けた。
「あいにく、失敗しちゃったみたいですけど……。
狭山君や山内さんを使って、宝田光を手に入れて、何がしたかったんですか?」
「くっ」
マラソンなら、35キロ地点で、一気に単独トップに躍り出た! っていうくらいの快進撃。
『さぁ、これからよ~』
とでも言いたそうな、どや顔で上気した頬がやや赤く染まっている。
その顔がやけに色っぽくて、俺まで赤くなりそうになる頬を引き締めた。
最初のコメントを投稿しよう!