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★★★
「ぐわぁ~!! むかつくっ!!」
目の前の愛しい人が、本日2個目のデザート『ベイクドチーズケーキ』をフォークに突き刺して持ち上げた。
因みに、1個目の『ガトーショコラ』は、親の仇のごとく、貪り食われていたな。デザートに罪はないのに……。
女の子の『イライラしたら、ケーキを食べるに限る!』という精神は、どーも理解できない。
俺は盛大なため息を、お茶を飲んでごまかした。
「まあ、まあ、落ち着いて……。あれで、かなりの揺さぶりになったと思うよ」
お行儀うんぬん、なんてことを言ったら、逆ギレされそうだから、とりあえず行動に関しては口を閉じた。
「どこが!? あんの野郎~、スカしやがってぇー!!」
仮にも女の子なんだから、あの野郎、いや、あんの野郎~やがってぇー、は、どうかと思うんだけど……。
まあ、マラソンで例えるなら……、35キロ地点でトップに躍り出たのもつかの間……
「何のことだろう? ウチの狭山君が君に何かしたのかな?
困った子だね。彼ね綺麗な女の子を見ると苛めたくなるらしいんだよね。
僕からよくよく注意しておくよ……」
「じゃなくて! 宝田ひ」
「中山さん、悪いんだが、時間切れだ。次の講義の時間なんで、お引き取り願おうか」
ライバルは出場してなかった……。
まっ、そんな感じか?
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