★ VS 真田教授

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 けど、今頃真田は心中は、穏やかじゃ無い筈だ。  中山明子というただの学生に、あそこまで言われたという事は、彼女の裏にいるであろう人物は、もっと探っているだろうと……。  実際、谷木さんがどこまで探り当てているのかは謎だけど。  明子さんは、悔しそうにコーヒーにミルクを流し込み、勢いよくかき混ぜていた。  うず潮みたいになってるぞ……。 「でも実際、真田は宝田さんをどうするつもりだったのかな?」  俺が呑気な声でそう投げかけると、明子さんは持っていたカップをトレイに下ろした。 「さあね、何かの餌にでも使うつもりだったのか……、それとも、どこかに閉じ込めて、うっとり見惚れたかったのか……」  やけくそな返事が返ってきた。 「うーん、でも餌にするとしたら、相手はロバート松岡よね……。  と、いうことは……、真田はロバートの居場所に心当たりがあるってことよね……」  ぶつくさ呟き、なにやら試案している彼女に、谷木さんからの命令を思い出し声を掛けた。 「あのさ……、ロバート松岡って……もしかして」 「ごちそうさまっ!」  パシッと音がして、明子さんは両手を合わせた。 「柏木さん、このあと仕事?」 「あ……、うん、まあ」  曖昧に返事を返すと、明子さんはにっこり笑った。 「じゃあ、またね」  そう言ってトレイを持って立ち上がった。 「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」  俺もトレイを持って立ち上がった。
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