40人が本棚に入れています
本棚に追加
思えば、明子さんと大学のベンチに座るのは、久しぶりだ。
今年の正月明けに、谷木さんに怒られてへこんでやさぐれて、ここに座っていて……。明子さんから声を掛けられた。
その時この人と話をして、この人の迫力にタジタジになって、そしてなぜが救われてしまった。
あんな気持ちになったのは、初めてだった。
「どんな話があるの?」
明子さんは座っている俺を立ったまま見下ろしていた。
その顔は、少しイラついていて、焦りが見える。
まさかと思うけど、暴走するつもりじゃないよな?
俺は慎重に表情を観察しながら話し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!