★ 大学のベンチ

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 だけど、これだけは言っておこう。 「明子さん、俺さ……、ロバートを逮捕する。  そうしたらさ、きっと奴と話すことができると思う」  明子さんはタオルを少しだけ離して、俺に顔を向けた。  俺はなんの意識もないまま、彼女の肩を引き寄せて背中を摩った。 「だから、奴になんて言おうか考えておいて。俺が君の気持を伝えるから。ね?」  そう耳元で囁いてから、身体を少し離して顔を覗き込んだ。そして彼女の切れ長の目から、流れる一筋を親指で拭った。  泣き顔って、どうしてこんなに可愛いんだろうなぁ……。  ホントに無意識に頬に唇を当てていて、明子さんにやんわり体を押されたことで、我に返ってカァーとなった。
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