40人が本棚に入れています
本棚に追加
「泉って、ホントに宝田さん命なんですね……」
思わず口に出た俺の呟きに「なんだそりゃ」と小さく笑って言った谷木さんは、手をパチンと合わせた。
「さぁーてと。そんじゃあ、"谷木さん命"の柏木君にも24時間、張りついてもらおうかな」
両手を擦りながら、綺麗に微笑む谷木さんにやや見惚れながらも
「えっ、誰にですか?」
若干赤面しつつ、頭の中で明子さんを思い浮かべてしまった俺の胸を、谷木さんの人差し指がつんつん、と突っつく。
「なんだお前、急にやる気になったな。愛の力か?
そう、お前の想像通りの、あ・の・ひ・と! なっ?」
谷木さんはこれ以上ないくらいに、美しく微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!