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どうでもいいけど、佐藤さんって、美味しそうに食べるよなぁ。
俺は駅前のチェーン店で適当に食べてきたんだけど、今度はこっちの定食屋にしようかなぁ。
幸せそうに焼サバを頬張る顔を眺めつつ、佐藤さんの話に耳を傾けた。
彼の話が本当なら、もともとは第4機動隊の谷木隊の隊員で、半年前に谷木さんから『手伝ってくれないか?』と声がかかったんだとか……。
怪しすぎるだろ……それ。なんの勧誘だ!?
でしかも、今回は人員不足のため『張り込みのヘルプ』で来ているんだとか。
え? マジで?
バイトじゃないんだからさぁ、張り込みのヘルプってどうなんだ?
まあ、俺も自分の仕事を聞かれて『警視庁の資料部にいます。この度急きょ駆り出されまして……』なんて言っちゃったんだから、似たようなものか……。
きっとこの人も谷木さんの下僕なんだろう。
俺は勝手に納得して「谷木さんの下で働くって大変ですよね」とポツリとこぼした。
佐藤さんは、箸を止めてキョトンとした顔で俺を見て
「そうか? 谷木さんはすげえ部下おもいだし、無茶言わないし、泉部長よりずっと楽だと思うけどな……」
なーんて、さらっと言ってのけた。
「泉部長って……、あの……」
夜叉だっ! 忘れもしない、凶暴オーラ全開の夜叉だっ!
うわっ。もしかしてこの人谷木さんの下僕じゃなくて、泉部長の下僕か?
つまり……、立場的には谷木さんと同レベル……?
なんだよー。こう見えてこの人、とんでもない人なのかもしれない……。
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