40人が本棚に入れています
本棚に追加
佐藤さんは、俺が青い顔になったのをどう解釈したんだか、取り繕うように箸を左右に振っている。
「隠さなくても、いいぞー。柏木は泉部長から気に入られてるらしいじゃん」
「えっ!? 誰がそんなことを……? 俺、話したのですら一度くらいだし……。
それだって……泉部長、夜叉だったし……」
「ぶはっ、夜叉って!! 言うねぇ!
谷木さんがさ『柏木は泉部長の弱みを握ってるから……』って言ってたぞ。
やるなぁ、お前。俺は部長の弱ってる姿なんて、見たことないぞ~」
佐藤さんは紙コップのお茶に手を伸ばし、ごくごくと美味そうに飲み干した後、俺の方を向いて笑った。
弱みって……。あぁ……、あれか?
最初のコメントを投稿しよう!