★ 張りこみ

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 佐藤さんは、俺が青い顔になったのをどう解釈したんだか、取り繕うように箸を左右に振っている。 「隠さなくても、いいぞー。柏木は泉部長から気に入られてるらしいじゃん」 「えっ!? 誰がそんなことを……? 俺、話したのですら一度くらいだし……。  それだって……泉部長、夜叉だったし……」 「ぶはっ、夜叉って!! 言うねぇ!   谷木さんがさ『柏木は泉部長の弱みを握ってるから……』って言ってたぞ。  やるなぁ、お前。俺は部長の弱ってる姿なんて、見たことないぞ~」  佐藤さんは紙コップのお茶に手を伸ばし、ごくごくと美味そうに飲み干した後、俺の方を向いて笑った。  弱みって……。あぁ……、あれか?
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