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「谷木さん、約束してください。宝田さんと話をするとき、俺にも立ち会わせてください」
「お前が彼女の側にいたら、その間、泉をどうするんだよ~?」
「…………、じゃあ、俺が泉と宝田さん、両方と話をします」
「はあ~?」
「お願いです。俺が二人を説得します。
泉がそう簡単に宝田さんから離れるわけがありません!」
「だから……、そこはさぁ」
「お、俺は、泉を騙すような真似はしたくありません。
泉は俺の大事な仲間です! 裏切るのだけは、絶対に嫌です。
宝田さんが協力するって言ってくれたら、泉だって、強くは出られないはずです。
俺が、必ず宝田さんに協力してもらいますから!」
呆れる谷木さんの顔を見据えた。これは、俺の使命だ。
だから、谷木さんが『うん』と言うまで粘るつもりだった。
俺は泉を裏切りたくない。同時に谷木さんにも裏切らせたくない。
警備部の谷木さんは仮の姿だったけど、『俺たちの谷木さん』まで仮の姿だったなんて思いたくなかった。
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