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★★―2時間前―★★
俺が谷木さんに向かって敬礼したとたん、谷木さんはにやりと笑って
『じゃあ、早速お前、宝田光のところへ行け』
唐突にそんな命令をした。
『えぇっ!? 今からですか?』
『当たり前だろう、お前、昨日のチャット見てただろう?
早く餌をよこせ! と先方さんがお待ちかねなんだからさぁ』
谷木さんは、ホレホレと俺の背中を玄関扉に向かって押しだした。
『ちょ、ちょっと、待ってください!
泉をどうにかするのが先でしょ! 計画練らないと!!』
俺が慌てて振り向くと、谷木さんの、ものすごーく黒い顔が俺を見ていた。
うわぁ~、この顔、出たぁ……
『それなら、大丈夫だ。俺、ちゃーんと用意してたからさ~』
『俺って、用意周到の男だろ?』なーんて言いながらコンビニの袋を掲げた。
中を覗くと、栄養ドリンクが4本入っている。
『これは……? もしかして……泉への差し入れですか?』
『くくくっ。泉がぐっすり眠れる差し入れな! 俺って、優しい先輩だろ~?』
嬉しそうに言うな! ウィンクはいらねぇ!
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