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爆睡中の泉を二人でベッドに運び、俺はちゃぶ台を挟んで宝田さんと向き合った。
宝田さんは、泉の爆睡姿を見たら安心したらしく、幾分顔色が良くなったようだ。
「あの……じつは、あとでまた明子が来ることになっているんですけど……」
「え!? そうなの!?」
驚く俺に、あいまいな表情で微笑む。
「はい。えっと……。柏木さんだけだと、いろいろ心配だからって……」
まあ、確かに。明子さんが来てくれれば、かなり心強いけれど……。
泉も明子さんにはめっぽう弱いしな。
3人がかりで説得すれば、獣の泉でも大人しくなるだろう。
俺が答えようと口を開けたところで、扉をコンコンコンと叩く音が聞こえた。
「あ! きっと明子です」
宝田さんが嬉しそうに立ち上がった。
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