★ 説得

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「こんにちは。あら、美味しそうなものを食べてたのね?   丁度良かった~、デザート買ってきたよ!」  明子さんは嬉しそうに何やら甘い匂いがする箱を掲げた。  宝田さんが立ち上がって、コーヒーの準備をしている間、俺は目の前の二人を盗み見た。  なぜ、泉兄は帰らない? 大体、なぜここに来たんだ?   まあ、泉兄ともあろう人が昼飯を持ってくるだけの、パシリの訳が無いが……。  俺が一人であれやこれや考え込んでいる間に、コーヒーを入れた宝田さんが戻ってきて、俺たちに振る舞った。  泉兄はのんびりした空気で、明子さん持参のチーズケーキを切り分けている。  おいおい、泉がいるだろうに、4等分でいいのか……?  ・・・・・・・。  違うって!! そんなことじゃなくて!!  もう我慢できない!   俺は口火を切った。 「あのっ、教えてもらえませんか? ふたりは、何のためにここにいるんですか?」  ストレートに聞く俺をやや呆れ顔で眺めた泉兄は、片方の眉を寄せた。 「君は、――何も聞いていないのか?」  またこれかっ!? 
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