★ 説得

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「ばかっ!! しっかりしなさいよっ!   あんたが光の傍にいなきゃね、光は目を覚まさなかったわよっ!  傷だらけの狼みたいにピリピリしちゃって、全然余裕ってものがないのよ!   男ならね、余裕持って光守りなさいよ!  大体、あんた達は、お互いの事ばっか考えすぎるから、空回りして共倒れになるのよ!   もっと自分の欲望を相手に押し付けていいの、特に光!!」 「は、はいっ!」  名前を呼ばれて、宝田さんは姿勢をピーンと伸ばした。 「このままじゃいけない、ってわかっているから、柏木さんに協力しようと決心したんでしょ?  ちゃんと、自分の気持ちを泉さんに言うの!  光は何をしたいのか、泉さんに何をしてもらいたいのか、はっきり言いなさいっ!」  明子さんに捲し立てられて、圧倒されていた宝田さんだったけど、目が覚めたようにキリリとした顔立ちになった。そして、唖然としている泉の手を引っ張った。
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