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「ばかっ!! しっかりしなさいよっ!
あんたが光の傍にいなきゃね、光は目を覚まさなかったわよっ!
傷だらけの狼みたいにピリピリしちゃって、全然余裕ってものがないのよ!
男ならね、余裕持って光守りなさいよ!
大体、あんた達は、お互いの事ばっか考えすぎるから、空回りして共倒れになるのよ!
もっと自分の欲望を相手に押し付けていいの、特に光!!」
「は、はいっ!」
名前を呼ばれて、宝田さんは姿勢をピーンと伸ばした。
「このままじゃいけない、ってわかっているから、柏木さんに協力しようと決心したんでしょ?
ちゃんと、自分の気持ちを泉さんに言うの!
光は何をしたいのか、泉さんに何をしてもらいたいのか、はっきり言いなさいっ!」
明子さんに捲し立てられて、圧倒されていた宝田さんだったけど、目が覚めたようにキリリとした顔立ちになった。そして、唖然としている泉の手を引っ張った。
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