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「あぁー。すみません!
30分、いや……20分……。
うーん、せめて10分でもいいから、出て行ってくれますか?」
「 どうしたっ? 何かあったのか?」
急に声を張り上げた泉を心配して、また声をかけたが、無視だ。
聞いちゃいねぇ。
泉は膝立ちになり
「光さん、ごめん。そんなこと言われたら、無理だ」
素早い動作で宝田さんの両肩を両手で掴んで、かがみ込んだ。
「おい。何があったんだ!?」
物騒なことになるんじゃないかと、俺は慌てて腰を浮かせた……のだが。
「大丈夫。脱がしたりしないから」
「あっ……」
宝田さんの頭から湯気が吹きだした、と同時に
「調子に乗ってんじゃないわよっ!!」
俺の隣で発せられた怒鳴り声と共に、力強い鉄拳が(体重移動ができた完璧なフォームだった…)泉の脳天に直撃した。
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