★ 説得

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「あぁー。すみません!  30分、いや……20分……。  うーん、せめて10分でもいいから、出て行ってくれますか?」 「 どうしたっ? 何かあったのか?」  急に声を張り上げた泉を心配して、また声をかけたが、無視だ。  聞いちゃいねぇ。  泉は膝立ちになり 「光さん、ごめん。そんなこと言われたら、無理だ」  素早い動作で宝田さんの両肩を両手で掴んで、かがみ込んだ。 「おい。何があったんだ!?」  物騒なことになるんじゃないかと、俺は慌てて腰を浮かせた……のだが。 「大丈夫。脱がしたりしないから」 「あっ……」  宝田さんの頭から湯気が吹きだした、と同時に 「調子に乗ってんじゃないわよっ!!」  俺の隣で発せられた怒鳴り声と共に、力強い鉄拳が(体重移動ができた完璧なフォームだった…)泉の脳天に直撃した。
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