★ 説得

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 今度は泉が頭を押さえて「欲望を口にしただけなのに~!」と悶えながら床に転がっていた。  俺が言うのもなんだけど……、コイツ本気でアホだな……。  泉の傍らで俺たちはちゃぶ台を挟んで、座りなおした。 「あー、話をしてもいいだろうか……?」  今まで一言も発しなかった泉兄が、明子さんの方を向いて了解を取った。  さすがの泉兄も明子さんの拳骨の瞬間は、顔が引きつっていたな……  結局、明子さんが『最強』なんだな……  俺は、あっという間に出来上がった『ヒエラルキー』とやらを実感した。  もちろん俺が一番下っぱ――なのは、決定事項なんだろうなぁ。 「うむ。ではまずは、私の案を聞いてもらおうか……」  泉兄は研究会のプレゼンよろしく、俺たちに向かって『ロバート松岡拘束計画』を、順序良く説明した。
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