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「よう~、泉どうだった?」
デスクの上のPCと睨みあっていると、谷木さんの声と腕が俺に絡んできた。
「あー、まあ、とりあえず……、協力してくれることになりました」
「おー。そうか、そうか、でかしたなぁ、お前!
あの泉がよく協力するって言ったじゃん!」
谷木さんは嬉しそうに俺の頭を撫でまわしたけど、俺は苦々しい思いでいっぱいだった。
俺は、何もしていない……。
泉の協力も、結局は明子さんの一喝と、宝田さんの意思と、泉兄の案があったからだ。
俺は、結局最後まで『子供の使い』だった。
「で?――これはなんだよ?」
「あぁ、これはまあ、計画書といいますか……」
俺ができることなんて、こんなことだけだ。
谷木さんはPCを覗き込んだまま、マウスを操作した。
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