★ 俺にできること

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 大体、待ち合わせ場所一つそうだ。  簡単に【廃工場】とかって言うけどさ。  それを探して場所を確保するとか……。  そういう雑用全てが、俺の仕事になった。  それに、いざという時の拳銃とか?   おいおい、簡単に言うなよ。    警察官だからって、そう簡単に携帯できるものじゃないんだぞ! 『公安なんだから、用意できるだろ?』  とか、あっさり言いやがって!!  とにかく全部完璧に用意できる目途がついたら、企画書にまとめる。  それを上が納得してくれて、はじめて実際に人が動く。  こういうところは一般企業で言うところの『○○○○プロジェクト』と変わないだろう。  ただ用意するものらが、やたら物騒な道具が多いだけの話。 「へぇー。計画そのものは、いいな」  谷木さんが唸った。  そりゃ、そうだろ。  なんたって、泉兄の計画なんだからさぁ。 「よし、俺もこの案に乗るわ。柏木、Xデーの調整は俺に任せろ!」  谷木さんらしからぬ、気合の入った重みのある手の平が俺の肩に置かれた。  俺は谷木さんに圧倒されつつ、考えた。  こういうのって、何て言うんだっけ?  ”人の褌で相撲をとる” だっけか?  けど、泉兄の顔を思い浮かべて、首を振った。  ――いやここは、”虎の威を借る” だな。  失敗なんかしたら、虎に食い殺されそうだ。 「うわぁ~」  こりゃ、”清水の舞台から飛び下り、なきゃ…だめか……?
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