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大体、待ち合わせ場所一つそうだ。
簡単に【廃工場】とかって言うけどさ。
それを探して場所を確保するとか……。
そういう雑用全てが、俺の仕事になった。
それに、いざという時の拳銃とか?
おいおい、簡単に言うなよ。
警察官だからって、そう簡単に携帯できるものじゃないんだぞ!
『公安なんだから、用意できるだろ?』
とか、あっさり言いやがって!!
とにかく全部完璧に用意できる目途がついたら、企画書にまとめる。
それを上が納得してくれて、はじめて実際に人が動く。
こういうところは一般企業で言うところの『○○○○プロジェクト』と変わないだろう。
ただ用意するものらが、やたら物騒な道具が多いだけの話。
「へぇー。計画そのものは、いいな」
谷木さんが唸った。
そりゃ、そうだろ。
なんたって、泉兄の計画なんだからさぁ。
「よし、俺もこの案に乗るわ。柏木、Xデーの調整は俺に任せろ!」
谷木さんらしからぬ、気合の入った重みのある手の平が俺の肩に置かれた。
俺は谷木さんに圧倒されつつ、考えた。
こういうのって、何て言うんだっけ?
”人の褌で相撲をとる” だっけか?
けど、泉兄の顔を思い浮かべて、首を振った。
――いやここは、”虎の威を借る” だな。
失敗なんかしたら、虎に食い殺されそうだ。
「うわぁ~」
こりゃ、”清水の舞台から飛び下り、なきゃ…だめか……?
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