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俺はその日の内に、何とか概要を形作った。
廃工場に目途を立て、企画書には拳銃の必要性を明記した。
それから、フォーメーションやら、緊急事態の対処など……。泉兄の案に自分なりのイメージも追加し、練りに練って谷木さんに提出した。
谷木さんは、プリントアウトした企画書をペラペラ捲りながら
「ふ~ん。まっ、あとはこっちで調整できるな。
お前、こういうの得意だったんだな。
言えよぅ~! どんどん仕事与えてやるからさぁ~!」
にっこり笑って、恐ろしいことを口にする。
いや……どんどん、って……。
んなこと、どんどんあってたまるかっ!
そして、それから丸二日が経過した。
谷木さんからは、何の連絡もない。
と、いうか……、連絡がつかない。
水面下で何かやってんのか?
とはいえ、俺が気を揉んだところで、事態が変わるわけじゃないし……。
俺はデスク上のPCに目をやった。
本来の仕事が長々と順番待ちの列を作っている。
「そうだった。俺って資料係の人間なんだったよな」
資料係のはずなのに、なんかその道を大きく外れちゃったよなぁ。
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