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「時間がないようだから、手短に、はっきり言いますけど。
先日は、光を連れて帰って来てくれてありがとう。
このお礼は、きちんと言いたかったの。
光は泉さんだけのものじゃないしね……」
まずはジャブを打ち付けると、途端に砕けた。
『い、いえ。それは……、はい。わかっています。
明子さんには心配をかけまして……。報告もせず、すみませんでした。
おかげさまで、光さんと……』
「裸の付き合い?」
『ぐわっ! ゲホッ、ゲホッ……』
「浮かれていた気持ちはわかるけど、あのキスマースはこれ見よがしだったわね」
むせ返る泉さんに、追い打ちを立てるように言ったら、ますます狼狽えていた。
『すっ、みません! つい……』
絶対幸せそうな顔してるんだろうなぁ。
もっと意地悪しようかしら……、と思ったけど。あぁ、時間がなかったんだっけ、と思い直した。
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