★ 秘密の報告部屋

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『そうだ。あいつは、あれをきっかけにBH幹部の奴らに自分の成果を見せつけ、信用を手に入れたんじゃないか、と思うんだ』  さすがに俺も頷かざるを得ない。  隣の泉は顎に手を置き、じっと考えている。 『なるほど……。  そして今、外事が動くという事は――次はお試しじゃない、何かが起こる。……と?』 『それを探るのが、お前の仕事だろう? なっ? い・ず・み!』  自分の言ったことを逆手に切り返されて、しかもウインクまで投げられた泉は心底嫌な顔で、奥歯をギリギリならしている。  泉……、怖いぞ。 お前、もう少し顔に気をつけろよな?  そんなんじゃ、モテ……、いや、こいつはモテなくていいんだ。むしろ爆発しろ。  泉はギリギリ噛みならした口元を歪ませながら 『わかりました……。な、んとか――します』  歯切れ悪く答えつつ、用は済んだとばかりに席を立った。
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