★ 秘密の報告部屋

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「よーし。外事の動きが分かったところで、俺達の計画も始めるか!」  谷木さんは両手をすりすりと擦り合わせた。 「外事の動きがわかると、どうなるんですか?」 「チ、チ、チ。柏木、まだ寝ぼけてんのかぁ? もうすぐ昼だぞぉ?」  谷木さんが気障ったらしく、指を振って見せた。   「いいか? 外事でも手が出せないロバートと接見できるチャンスは、まだ生きてる。  俺たちにだけ、与えられた権限だろ?」  ハッとして俺が息をのむと、満足そうに頷いて言葉を続ける。 「外事の襲撃よりも前に、接見を果たすんだよ。ロバート松岡はBH襲撃日までは、絶対に日本にいる。そうだろう?  【バタフライ】の真相とやらを、本人から聞いてやろうじゃねぇか」    確かにロバ―トの身柄の拘束はできない。けど、情報くらいなら手に入れられるかもしれない。いや、何としても聞きださなきゃダメだ! 「よーし。わかったところで……。これからの予定、発表しまーす」  谷木さんが朝礼の如く、宣言した。  それは俺達がまだ警備部にいた頃、必ず谷木さんから掛けられる挨拶で。――不謹慎ながらも俺は、また3人で仕事ができることに、胸を熱くしてしまった。
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