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「ようこそ! さあ、こちらへ!」
真田のはしゃいだ声が聞こえる。
この声、明子さんが聞いたら目を丸くするだろうなぁ。
ゼミ室で会った時の真田とはまるで別人だ。
なんだ? この豹変ぶりは?
祖父母の家に遊びに行った時の、おばあちゃんみたいだ。
真田を先頭に泉、宝田さんがリビングに入り、泉たちは手前のソファに座った。
二人の前にはローテーブルがあり、真田は対面に座る。
この構図だと、モニターには真田が映され、泉と宝田さんは後姿になる。
一度腰を落ち着けた真田だったが、そわそわと落ち着かず立ちあがった。
そして、台所へ向かう。
その際「紅茶でいいだろうか? それともコーヒーの方が良いかな?」という弾んだ声がヘッドフォンに響いた。
宝田さんが硬い声で「おかまいなく……」と答えている。
「そう言わないでくれ。今日のために、とっておきの紅茶を手に入れたんだよ。君の口に合うといいんだが……」
という優しそうな声が小さく聞こえる。台所から話しかけているようだ。
「なんだか、浮かれてるな。真田って、こういうキャラなのか?」
佐藤さんがモニターを覗いたまま俺に問うんだけど、俺も唖然としてその様子を見ていた。
「いや、こういう意味で、変態じみているキャラではなかったはずです……」
俺は思わず本音を漏らした。
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