★ 面晤《めんご》

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「ロバート、何とか言えよ。   あぁ、そうか。――女の子から頼んでもらわなきゃダメか?  宝田光さん、ロバートに訊いてよ。 『バタフライ』を作ったのはパパでしょ? ってな。  お前、どこまで計画してたんだ?  娘を襲わせて、助けに入る泉が殺される――」 「違うっ!」  突然、ロバートが大声を上げた。 「あれは、予期せぬ事故だ。  あんなことになるなんて……」  そしてソファの背に手をついて、身を乗り出した。  谷木さんに隠れて宝田さんの様子はよく見えないけど、きっとショックを受けているだろう。  ロバートはあっという間に人間に戻った。その顔は焦燥感でいっぱいだ。 「じゃあ、なんで宝田光のTシャツを利用した?   お前、彼女があのTシャツを着ることも、あれを着ると、花が浮かび上がることも知ってたんだろう?   そのうえで、薬物を投与して『あのTシャツを着たやつを狙うように暗示をかけた』そうだろ?」  谷木さんの言葉がズバッと、ロバートを切りつけた。
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