★ 面晤《めんご》

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「あのさぁ。めんどくせぇから、サクサク訊くけどさ。  お前、坂本とはどうやって接点持ったんだ?   坂本がランニングポリスに選ばれた時点で目をつけていたのか?」  谷木さんが心底めんどくさそうな声を出した。 「もう、谷木さんは感動しないんですかね、佐藤さん?」  あんまりにも冷たい態度の谷木さんに、憤慨して隣を見やると、佐藤さんは俺の肩をポンポンと2回叩いた。 「柏木、お前……、良い奴だなぁ。谷木さんの下で大丈夫か?」  前にそっくり同じことを、泉に言われたな……。同じような、憐れみを含んだほほ笑みで…… 「えっ、そ、れは……」  俺が最後まで言い終わらないうちに、ロバートが打って変わった冷たい顔になって、話し始めた。 「坂本は普段から大麻を常用していた。だから、いずれ利用するつもりで目をつけていた。  あいつは、よく仲間を連れて来ていたから、広めるのは難しくなかったよ」 「【バタフライ】の作り方は?」 「BHの中に覚せい剤を弄れるやつがいる。そいつに幻覚作用を高めたLSDを作らせた。  そして薬を使用した直後に、俺が催眠と暗示をかけた。  『死ぬほど蜜が欲しい。お前は飢えたバタフライだ』ってな」  ロバートは淡々と告白した。  もう何も隠す必要はない、とでも言うように……
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