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「で……? 音無さん、どんな感じ?」
「ど、どんな、って……。まぁ、なんというか……、生気がないというか……」
「ぷっ! はははっ、ははっ!
――ダメ、苦しい……。いや~、相原先生、さすがっ!」
私が一人で笑い転げていると、泉さんがジト目で私を見ていた。
「あああ……。ごめん、ごめん、あのね……」
私が昨日の相原先生とのやり取りを説明すると、泉さんはますます怪訝な表情になった。
「ちょっと、聞いていいですか?
あの二人って……、どっちが……、そのぉ……」
顔を赤らめて、もごもご言っている。
「あぁ、えっとね。相原先生の話では、音無さんはバリタチらしいの。
けどね、相原先生のテクニックで、音無さんの精魂、搾り取られちゃうんだって……。
それ以上は聞かないでね。私、れっきとした嫁入り前の娘なんですから」
「バリタチ……、テクニック……、搾り取られる……」
泉さんはそう呟いて、青い顔をしていた。
それから「音無さん。ご愁傷様です……」と手を合わせた。
なに、それ?
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