☆彡 日記

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「とりあえず、二人とも座って……。泉さん、例の話、お願いするよ」  青い顔しても仕事熱心な音無さん、私も泉さんに向かって頷いた。  泉さんは気持ちを切り替えたんだか、キリッとした顔になって姿勢を正した。 「では……、説明します。  あの、ノートですが、あれは光さんを産んだ女がつけた育児日記でした」  ”産んだ女”ときたもんだ。よっぽど怒ってるんだろうな……。  そりゃ、そうだ。  泉さんの話を聞けば聞くほど、怒りが込み上げてきた。  子供を授かって浮かれるのはいい、子供に期待して楽しみにするのもいい。  仕事がやりづらくなって、親に頼るのも仕方がないと思う。そして、突っぱねられて八つ当たりしたくなる気持ちも、分からないでもないわ。  ただね、だからといって、どうして産まれてきたばかりの赤ちゃんを恨むの?  泉さんの口から『呪われた子供』なんて台詞が飛び出してきたときは、思わず泉さんの胸ぐらをキツク掴んだほどだわ。 「あ、あきこ、さん。く、くるしい……」  泉さんに両手をペチペチされるまで、怒りで我を忘れていたくらい。 「ふっざけんじゃ、ないわよ」  煮えたぎった低い声がでた。
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