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「あのね……。こういうことあんまり言いたくないけど。
泉さんには感謝してるの。例の書類だって、泉さんが一緒じゃなかったら、きっと光は耐えられないと思う。
内容は知らないけど、音無さんのあの様子見たら……相当悪いものなんでしょ?
それでも、泉さんがついていてくれたら、光は乗り越えられる、って思ってる。
だから……」
私は真っ直ぐ泉さんを見据えた。
「光の事よろしくお願いします」
そして、潔く頭を下げた。
あぁ。娘を嫁に出す気分? 音無さんのこと言えない。泣きそう……。
「は、はい。任せてください……。
ひ、ひかるさんを……し、しあわせに……、うぅ……します……」
顔を上げたら、泉さんが号泣してた。
私の涙が引っ込んだわよ! もお!
これ、もう捨ててもいいか……結構気に入っていたんだけど……。
ため息と一緒に、ハンカチを取り出し、ずいっと差し出した。
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