☆彡 芳樹医師

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「リョーォォォ!! ああああ!!」 「あきこっ! あきこっ!」  肩をゆすられ、ハッ! っと目を開けると、母親の必死な顔が間近にあった。 「薬……、飲んで……」  渡された薬を何も考えずに飲み込む。  まだ息が切れていた。  心臓のバクバクも止まらない。 「明子……。大丈夫よ。大丈夫……」  汗でびっしょりと濡れた前髪を、忙しなくかき上げる母親にしがみついた。 「ママ、ママ、――リョウが……、リョウがいたの……」 「うん、うん……」  母親の胸の中は温かかった。  この温かな腕の中にいる限り、誰も私を傷つけたりしない。  少しずつ、少しずつ……力が抜けてきた。  ここは安全な場所だ。この人は私を愛している。  大丈夫だ。――大丈夫なんだ……。  私はいつの間にか、眠りの世界に落ちていたらしい。  朝起きる直前に見た夢は、リョウの姿をした人形を抱きしめ、何度も語りかけていた。 『大丈夫、一人じゃないよ……』  人形は何も反応しない。  それでも、私は諦めず、何度も何度もそう繰り返した。
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