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「泉、これから打ち合わせか?」
声をかけられて振り向くと、目下自分の上司である小西さんが向こうから歩いてくるところだった。
「はい、そうです。 最近呼び出しが頻繁で……」
そう答えた後、目の前まで来た小西さんに、少し声を潜めて報告する。
「あっちは、真田がロバートを匿っている、と掴んでいるようです」
「あぁ。まあ、知られるのも時間の問題だとは思っていた。
それより、お前は大丈夫なのか?」
小西さんは眉間にしわを寄せて私を見る。その顔は上司のものではなくて、心配性の先輩のものだ。
「大丈夫です。――というより、何としても私が決着しなきゃいけない、と決意しています。
ロバートを見つけ出し、必ず逮捕します」
「しかし、宝田さんは」
「小西部長……、」
小西さんの意見を遮り、私は宣言した。
「ロバートを全力で逮捕します!」
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