☆★ 泉VS柏木

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「無理をさせるなよ、だってさ、柏木ぃ~。  無理をさせているのはお前の方なんじゃないのか? 泉君?   宝田光には内緒で、こそこそと柏木の彼女連れ出して、一体何をやっているのかな~?」  「ちょ、それはっ! ――つけてたんですか? 一体何のために!?」 「そんなの決まっているだろう? お前が隠れて彼女と会っているからさぁ。  柏木の恋心、わかってやれって! お前、横恋慕は良くないなぁ」  咄嗟に柏木に顔を向けた。柏木は目を泳がせながらも、体は微動だにしていない。 「おい、柏木、誤解するなよ? わかっていると思うけど、そんなんじゃないからな?」 「じゃあ、どうして二人で歩いていたんだろうなぁ? 桜田商店街。  デートじゃないなら、何しにあんなところに行ったのかなぁ~、いずみ?」  谷木さんの目が光った。  私はギリッと奥歯を噛みしめた。  音無さんが勤めている弁護士事務所に行ったことがバレた。  それは、私が光さんの情報を手に入れた、と暗示させるもので……。  谷木さんはどう猛な獣の顔を出し、私に無言の圧力をかける。  『お前が手に入れた情報を差し出せ』と。  ほんっとに、この人ほど厄介な奴はいない。
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