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私は一度大きく深呼吸をして、二人を見やった。
「これはプライベートのことなので、ここで言うつもりはありません。
明子さんに関しては、それこそ個人的なことですし、谷木さんには関係ありません」
「おいおい、隠すのか?
俺たちは情報を報告し合うって、この間約束したばかりだよな?
宝田光を守りたいんだろう?」
「ですから、プライベートのことなんですよ。
事件のことや、光さんのこととは、一切関係がありません」
谷木さんに煽られているだけだ、とわかっているつもりだけど、光さんの名前を出されるのは、キツイ。
谷木さんは最高のカードを手に入れた、と言わんばかりにドヤ顔を向けてくる。
「柏木は来週、真田に会うぞ。
例のファイルについて質問するそうだ。
こいつ頑張ってるだろう? 協力してやれよ~?」
谷木さんは、そう言うと席を立ち
「じゃあ、柏木にせいぜい言い訳してやってくれ、間男! くくくっ」
含み笑いを残して部屋を出て行った。
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