☆★ 泉VS柏木

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 私は目の前にいる柏木を覗き込んだ。  来週、柏木は真田に会う。そしてファイルについて何か聞きだすつもりだ。  公安の情報を手にするには、見合った情報を差し出さなければならないだろう。  どうする? ロバートについて更なる情報を出すべきか……。  出すならば、どの情報をどのくらい出すべきか……。 「泉……」  柏木は意を決した顔をして呼びかける。 「うん? どうした?」  まだ答えが出ておらず、思いの外柔らかい返事が出た。 「お前、本当に明子さんとはプライぺートで、出かけたんだな?  宝田さんとは関係ないのか?」  柏木の目が鋭くなった。    音無さんの事務所に入ったのを知られた以上、何か情報を提示する必要があるだろう。  けれど、あの日記に関して報告する気は一ミリたりともない。  とはいえ、相手は柏木だし……。ここは正直に話した方がいいだろう、と結論づけた。 「うん。明子さんとは…‥、まぁ。成り行きで……。けど、何もなかった。  悪いけど、お前が知りたいような情報は何もやれないんだ」
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