☆★ 泉VS柏木

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「何もなかったら、良いというのかよ!?」  柏木は立ち上がって机を大きく叩いた。 「ごめん。本当のことだ」 「お前、俺の気持ち知ってて、何も言わないつもりか?  明子さんとホテルに行っておいて……。お前、……」 「ホっ、……テル??」  柏木の悲しみにゆがんだ顔を眺め、震える拳に目をやると、私はおもむろに口を開いた。 「お前さぁ、谷木さんから何言われた?」 「とぼけるのか?」 「いや、そうじゃなくて……。  因みに私は何度でも言えるから、一応言っておくけど……。  私が愛しているのは光さんだけだからな?」 「おまっ、じゃあ、明子さんはどうするんだ?」  私は目を丸くした。ついでに何回か瞬いた。  こんなにも純粋なこいつは、本当に公安でやっていけるのだろうか?  柏木、この先も苦労するだろうなぁ……。
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