☆彡 事後報告

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 「明子にお願いがあるの」  強い意志を感じる視線を向けるから、私も改まって光を見やった。 「あのね私の家には、私や私の家族に関する書類があるの。  沢村さんは『パンドラの箱』だから知るべきじゃない、って忠告してくれた。  けれど、音無さんは『私も知るべきだ』って。  私自身のことだから、ちゃんと向き合うべきだ、って言うの……」  私は黙って頷いた。  光とは高校からの付き合いだけど、光から家族の話を聞くことは滅多になかった。  出合った時には、すでに今のマンションで一人暮らしをしていて、姉はいるけれど、訳あって別に暮らしている。  両親は光が中学生の時に亡くなった、というくらいしか知らない。 「真実を知ったら、闇に飲み込まれる。って、……ずっと逃げてた。  でも、やっぱり知りたい。  どうして今私がここにいるのか……、私は知るべきなんだと思う」 「うん……」  私は光の話を促すように、相槌だけをうった。  光は小さく息を吐いて、大きく息を吸い込んだ。
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