☆彡 真田教授

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 週明けの今日、私は柏木さんからのメールを受け取った。 ――教授に会いに行く日程が決まりました。   今週の水曜日、朝イチで行きます。明子さん大丈夫? ――  水曜日かぁ。私はスケジュールを確認した。  バイトは夕方からだし。大丈夫だ!  真田教授と直接話をするなんて初めて! と、私は気を引き締めた。  狭山君が自慢するだけあって、犯罪心理を専攻する者にとって、真田教授は一目置かれた存在にある。  果たして、彼はどんな反応を示すのだろう? とすごく興味があった。  犯罪心理を極める心理学者というのは、ある意味犯罪者と紙一重の精神を持ち合わせている。だからこそ、犯罪者の心理がわかるわけで。  ファイリングに基づく捜査の中で、プロフェッショナルと呼ばれている人たちは、独自の”勘“のようなものを持ち合わせている。それは、限りなく『犯罪者』のそれに近い。  真田教授の考えこそが、ファイル作りの資料として最適だと私は思っている。  期待に胸をふくらまし「了解!!」と返信を打ち込んだ。
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