☆彡 真田教授

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「明子さんでも、ビビることってあるんだ?」  少し落ち着いたのか、柏木さんはベンチに座ると私を見て微笑んだ。 「あるに決まってるでしょ。  それより……、どういうこと? 何を調べているの?  大体20年も前の事件を今頃調べてどうするの?」  私が矢継ぎ早に質問をすると、しかめっ面で頭をかいた。 「うーん……、じつは詳しいことは俺も聞かされていないんだ。  ほら、俺、谷木さんの手足だし。  まあ、でもその『ロバート松岡』という人物がFBIで指名手配されたにも拘わらず未だ捕まっていなくて……。  で、その容疑者が、今年の春20年ぶりに『日本にいるらしい』って、噂が出た。  目下、俺はその裏付け捜査をやらされている、というわけ」 「へえ~。今更ね……。でも、なぜ真田教授が出て来るの?   FBIからの捜査依頼なら、捜査ファイルくらいもらえるでしょ?」 「そうなんだよなぁ……。そもそも本当にそんなファイルが存在しているのかどうかも、はっきりしていないんだよ。  まあ、谷木さんが動いているんだから、泉部長からの命令なんだろうけどさぁ」  腕を頭の後ろで組んで、他人事のようにぼやいている姿を眺めながら、私はため息をついた。  で? 私はそんなパシリの柏木さんに、『使われた』ってわけか……。 「まあ、いいわ。気が抜けたら、何だかお腹が空かない?   時間があるなら何か食べましょうよ」 「もちろん!!」  私がそう誘うと、柏木さんは勢いよく飛び上がった。
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