☆彡 気楽な恋人

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「柏木さん、今後も真田教授のこと調べるの?」  日替わり定食についているおぼろ豆腐を、慎重に箸ですくって口に運び、うん、美味しい! と納得したところで、質問を投げかけた。  柏木さんは、先日狭山君が食べていたカツカレーを大口で食べている。  はぁ~、見事な食べっぷりだこと。  私が感心して見ていると、何かを感じ取ったのか「まあね、男子ですから……」なんて、聞いてもいないのに答えた。  そして器用に、カツとカレーの配分をきっちりご飯に合わせて、過不足なく全て平らげた。  上手いもんだわ~。私なんて、大概カレーが少し余っちゃったりするんだけどね。 「ごちそうさま」  両手をパシッと合わせて、皿を脇によけ、お茶を飲み干して満足げに頷くと 「うん、まあ、一応これ、捜査だからね」  結構なタイムラグが生じてからの返事が返ってきた。 「ふう~ん。捜査じゃ、教えてくれないかぁ。   私的にはもう少し真田教授の事が、知りたいのよね」 「俺が知ってる情報なんて、きっとネットを探れば出てくるよ。  でも、そうだな……、少しなら、明子さんに流してもいいよ」 「はあ? 捜査でしょ? 一般人に捜査情報漏らしちゃだめでしょ?」  私が驚いてそう言うと、彼は手を振りながら笑顔を浮かべた。 「もちろん、漏らせない情報もあるけど。まあ、普通の情報なら。  例えば……、真田教授はバツイチだ、とか」 「はっ、そんな情報、何の役にも立たない……」  私はがっかりして切り捨てた。はっきり言って、どうでもいいわ。
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