☆彡 気楽な恋人

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「ねえ、谷木さんならいろいろ知っているのよね?   今後も協力するから、谷木さんに会えないかしら?」  私は目を輝かせて提案したけど…… 「うーん。それは……」  渋い顔で唸ってから「ダメ」と一言。 「なんで?」 「谷木さん、かっこいいから」 「はあ? 何それ?   そんな理由なら、是非ともお友達になりたいわね! イケメン歓迎だし」  殊更おどけてそう言うと、柏木さんは真面目な顔をして私を見つめた。 「明子さんに聞きたいことがあるんだけど」 「何かしら?」 「この前、狭山が言っていた『君の事件』の話、聞かせてほしい」  君の事件? あぁ、拉致監禁の話か……。 「それなら、泉さんに」 「あの事件を泉が担当したってことは知っている。   けど、俺は君から聞きたいんだ」  柏木さんは話を遮って、怖いくらいに鋭い眼光で私を貫く。  私は小首をかしげた。 「なぜ?   泉さんから聞いた方が、犯人側の背景も分かるし、私から聞くよりもよっぽど客観的に分析できると」 「そういう事を言っているんじゃないっ!」  また遮られた。しかも、どんどんヒートアップしてきている。  はぁー、駄々っ子と話す時ってこんな感じなのかしら?  イライラと髪をかき上げて、これ見よがしにゆっくりと口を開いた。
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