☆彡 気楽な恋人

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「あのさぁ~、一体何が言いたいの? きちんと説明してくれる?」  柏木さんは苦しげに顔を歪ませた。  それから、額に手を当てて一度目を瞑ってから、息を吐きだした。 「ごめん。俺、焦ってる……。  小西部長も泉も、狭山でさえ、君の過去を知っていて『例の事件』という言い方をする。  俺は、君の事が知りたいんだ。君が許している輪の中に入りたい。  だから、君の口から聞きたい。  事件としてでなく、君の過去として知りたいんだ」  私に向けてくる瞳は真剣そのものだった。  何か、強い意志を感じるほどに……。 「どうして、私から聞きたいの? それに何の意味があるの?」 「お、おれは……、き、きみが……、好きなんだ……」  小さな声だったけど、はっきりとした言葉が私の耳に届いた。  耳まで真っ赤になっている。  そんな姿は可愛いし、好青年って思う。  本当なら、喜ぶ場面なんだろうけど……
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