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私は大きく息を吸った。
「私を好きなら、尚更のこと『事件報告』を読んでから出直してくれないかしら?
どうして私が、あなたの自己満足の犠牲にならなきゃいけないの?
あの事件で、少なからず心に傷を負っている、ってわからない?
そんな私から、よくも簡単に『事件の内容を君の口から聞きたい』だなんて言えるわね。
自分の疎外感さえ、満足されれば気が済むの?」
柏木さんは、口を開けたまま固まってる。
それでもまだ、止められなかった。
「私が泣きながら『辛かったの! これからはあなたが私を支えてね』とでも言えば優越感に浸れるのかしら?
悪いけど、私は恋愛をする気なんてないの!
ただ楽しくお付き合いしたい、ってことなら、構わないけど、本気で私の中に踏み込もうとしないで!!
この話はこれで終わり! さよなら!」
一気に吐き出した。これでもう、この人とも終わりだ。
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