☆彡 気楽な恋人

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   光と別れて家に帰る途中、携帯に着信が入った。着信相手をみると、柏木さんだった。 「はい。なにか用でしょうか?」  何事もなかったように通話に出ると『恋人なんだから、電話してもいいかな、と思って』そんな返事が聞こえた。 「そうね、恋人だものね。それで? 何の用?」 『うん。デートの誘い。  来週、また真田教授のところに行くことになったんだ。  だから、ランチでも……、と思ってね。  明子さんにも情報をあげられるかもしれないしね』 「へぇ~、柏木さんもそういう取引できるようになったんだー」  私は挑発的にそう言った。  柏木さんの伺うような沈黙が何だか重い。 「ランチ、楽しみにしてるわ。何時にカフェテリアに行けばいい?」 『じゃあ、11時に!』  弾むような声につられて、私の声にも笑いがにじむ。  何はともれ、せいぜい楽しませてもらうわよ。  半ばヤケクソな気持ちになりつつ、来週のランチの約束をした。
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