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☆彡☆彡
「ふふふ……」
「明子? なに一人で笑ってるの? 顔怖いけど?」
思い出し笑いしているところを母親に見られた。
「いや、テレビがね……」
言い訳しながら、テレビに目をやると政治家の討論が映し出されてる。
これ見て黒い顔で笑ってたら、私、影の支配者よね……。
「朝ごはん食べるでしょ? お皿出してー」
台所から母親の声が聞こえる。
「はーい。よいしょ、っと」
私はソファから立ちあがった。
何はともあれ、いよいよ明日光の書類、パンドラが開けられる。
「あー、何か緊張するっ!」
思わず漏れた独り言に、母親は首を傾げた。そして
「なに? デート? デートなの?」
勘違いも甚だしいセリフで浮かれている。
「ちっ、違うわよっ!」
柏木さんからの電話をずばり指摘されたような気がして、必要以上に狼狽えた。
ほんっとに、母親って怖いわぁ……。
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