☆彡☆★ パンドラ前夜

7/14
前へ
/408ページ
次へ
☆★☆★☆★ 「よう、泉」  私が警備部の大部屋に足を踏み入れようとした時、廊下をのんびり歩いている人物が私に手を上げた。 「谷木さん……? 珍しいですね、谷木さんがこっちに来るなんて……」  警備部である私と公安で暗躍している谷木さんが接触するときは、大概私が公安の部屋を訪れる。 「あ、小西部長に用ですか?」  私が言葉を継ぎたして要件を問うと、谷木さんは爽やかなイケメンスマイルを晒して、ひとさし指を立てた。 「ここで、立ち話っていうのもなんだからさ、上な」  なんだ!? 久しぶりに見たぞ、この胡散臭いイケメンスマイル…… 「はぁ、まあ、いいですけど……」  私は谷木さんの後に従い、上階にある道場へと向かった。  そう、ここにもあるのだ。 【精神統一の部屋】と呼ばれる8畳ほどの畳敷きの個室が……。そしてご多分に漏れずここでも『説教部屋』として存分に使用されている。
/408ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加