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「そうなんだぁ。なに? 師範のとこで夕飯食べてきたの? 泉さんは?」
『えっと……うん、そう。
師範と夕飯食べて、明日の打ち合わせをしてた。
師範とはこっちの駅で待ち合わせて、音無さんのところに一緒に行こう、ってことで。
――泉さんは今夜は仕事みたい。明日、無理して来てくれるから……』
「そっか。私は向こうの駅で待つわ。そこから一緒に行こうよ」
『うん。商店街を通るから、帰りに何か買おうか。あそこを見るのは楽しいよ』
光の声は弾んでいた。いや、がんばって弾ませているのだと思う。
だって……、『楽しいよ』と言った癖に、その後が続かない。
私も、しばし無言だった。
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