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「えっと……。あれですか? 『パンドラ』でしたっけ?」
『うん…、そう、それ。光、何か言ってた?』
「言ってました。
すごく、すごく、これ以上ないくらいに真剣な顔で『大切な人と一緒にパンドラの箱を開けたい』って。
音無さんには、この意味わかっているんですよね?」
『分かってる。そもそも、俺が光を煽ったようなもんだし……』
「へぇ……。
で? 光をどうするつもりなんですか?
光が暗闇に貶められる、って分かっていながら、その書類を見せようと思う音無さんの真意を教えてください」
少し怒りを含ませた強い口調で問うと、音無さんは『キッツイなぁ……』なんて呟きながら、歯切れ悪く語り出した。
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