☆彡☆★ パンドラ前夜

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「光、良く聞いて。  光が生まれたことで、どれほどの人が傷ついたとか、どれほどの不幸がそこにあったか、なーんてことは、どーでもいい!   私はね、光が生まれて来てくれたから、光に会えた。  私は光と一緒にいることが嬉しいの。  光が生まれて来てくれて、心底良かった、って思う一人だよ」 『うん……あき、こ。……あ、りが……グズッ』  ヤバい……。光の涙声聞いて、私まで涙出てきた。  私は受話器を抑えて、息を整えた。 「光! あいしてるよ!」  震える声をごまかすように、声を張り上げた。 『えっ! なっ!』 「ふふふっ、涙、引っ込んだ?」  私が笑うと、光は一瞬黙って『うん……。驚いて、引っ込んだ……』と笑い声を上げた。
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