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「さあ、どうぞ、これで揃いましたよ」
奥から音無さんが、気取った顔(弁護士の顔ね……)で現れて、私達を奥へと案内した。
今日は、パーテーションで作られた個室ではなくて、奥の部屋。
完全な個室だった。
へぇ、こんな部屋もあるんだぁ。
部屋の中央には、ガラスのローテーブルを挟んで、シングルソファが向い合せと、ダブルが向い合せの黒革張りのソファセットが鎮座されている。
その奥には、長椅子のようなベンチが壁に沿って設置されている。
加えて、シンプルな飾り戸棚が1つ、戸棚の中には金庫。
まさに『密談用の部屋』って感じ。
私が周りをチラチラ見ている間に、音無さんは金庫の中から小型のアタッシュケースを取り出した。そして、それをガラスのローテーブルの上に置いた。
音無さんは奥に一人で座り、時計回りに光、私、向かい側に師範、そして泉さん。
音無さん以外の4人が、一斉にそのアタッシュケースに目をやった。
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