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「これは『宝田聖子さん死亡』に関する書類です。
光、例の日記には『星の子』という字を使っていたと思うが、本名は聖人君子の聖の字を使って『聖子』さんという」
音無さんはそう説明し、用紙の束を光に手渡した。
光がそれをテーブルの上に置き、全員でとり囲んで注目した。
「その書類は、アメリカの生命保険会社から、死亡保険金が支払われたことを示すものです。
金額は約20万ドル、受取人はまだ生まれていない子供、もしくはその子供の親権者とあります。聖子さんが妊娠中に加入した保険のようです」
「20万ドルは……、えっと……」
私は頭の中でそろばんを弾いた。
「20万ドルは、1ドルが100円なら、2千万円ですよ。その辺を目安にしてください」
音無さんはあっさり言った。
悪かったわね……。算数レベルであたふたして……。
私は片手あげて、音無さんに話を続けるよう、促した。
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