☆彡 パンドラ前半

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「友人の証言だよ。犯人の友人が、犯人からの電話を受けている。  警察への通報もこの友人がしたんだ。  犯人は友人へ『セイコを殺してしまった』と、確かに言ったらしい。それに、その会話は証言した友人の電話に録音が残っていた。  これが決め手となって、犯人が断定され、指名手配となった。  捜査は地元警察からFBIの手に渡ったが、未だに犯人は逮捕されていない。  もしかしたら、どこかで自殺を図ったのではないか、とも言われている」  そう言って、警察から生命保険会社への『事件報告書』を泉さんに渡した。  泉さんはその書類を見て、眉間にしわを寄せている。  『恐ろしく剣呑な顔してるわよ……』と小声で教えてあげたいくらい。  でもその書類をチラリと見た私は、そこに載っている名前を目の当たりにした瞬間、泉さんのことなんて頭から吹き飛んだ。  身体が震える……。 「い、いず、みさん、その書類……、ちょっと、見せて」  震える手を伸ばすと、泉さんは怪訝な表情のまま、書類を差し出した。  あぁ、やっぱり。――見間違いじゃなかった。  ここに載っている名前――、ドッペルゲンガーじゃなくて、同姓同名でもなければ、私の知っている人物ということになる。  犯人は『ロバート松岡』そして、その友人は『真田浩二』と記されていた。
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