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僕は商店街の探索を終えて拠点に戻った。
覗き穴から見える位置に立つと、中からミヅキが話しかけてきた。
「よかった、無事だったのねユウスケ。今開けるから。」
重そうな鍵がガチャリと音を立ててドアが開いた。
幼馴染であり、今では協力者のミヅキだ。
いつもと変わらず屈託の無い笑顔で出迎えてくれた。
「ただいま。いくつかの商店を回ったけど、だいぶ荒らされた後だったよ。ホラ。」
「やっぱりね。でも飲料と缶詰があるじゃない、包帯も見つけられたんだ。十分な成果じゃない!」
そういって両手に収まる分量でしかない収集物を、ミヅキは心から評価してくれた。
確かに水や食料は貴重品だけど、もっと見つけ出したかった。
せめて一人一つ行き渡るくらいは。
大きい店や商店街は、もう探すだけ無駄かもしれない。
きっと早い時点で略奪されただろうから。
「ねぇ、裏手に止まってる車だけど・・・あれ動きそうよ。ガソリンも十分あるし!」
「そうか、それは良かった。これで遠くまで行けるし、脱出手段にもなるな。」
その知らせを聞いて早速車のもとへ向かった。
車の鍵は家の中にあったので、問題はまともに動くかどうかだった。
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